熊本県美里町でかなえる、心豊かな「里山ぐらし」:移住を支える支援制度

美里町には、棚田や森林、清らかな川、歴史を物語る石橋群など美しい景観があり、豊かな自然環境の中でのびのびと暮らしたい人々から、新たな生活の舞台として注目されています。
この記事では、美里町への移住を検討している方に向けて、移住にまつわるお金の情報を中心に解説します。
お話を聞いた方
町中 朱音さん 美里町役場 美しい里創生課
Content目次
豊かな自然と歴史が息づく、美里町での暮らし
美里町には四季の移ろいを肌で感じ、心豊かに過ごせる環境があります。ここでは美里町の暮らしの魅力をご紹介します。
日本の原風景が広がる里山
美里町の最大の魅力は、何といっても豊かな自然環境です。
町内には国の重要文化財に指定されているアーチ式石橋「霊台橋」や、水面に映る影がハートを描くことから「恋人の聖地」にも認定された「二俣橋」をはじめとする石橋群が点在し、美しい景観を作り出しています。
また、「小崎の棚田」や「下福良の棚田」など、先人たちが守り抜いてきた棚田の風景は、季節ごとにその表情を変え、訪れる人々を魅了します。
黄金色の稲穂が風にそよぐ秋の景色は格別です。
こうした美しい風景の中を歩く「美里フットパス」は、町内に19コースが整備されており、地域の暮らしや文化に触れながら、気軽に散策を楽しむことができます。
ちょうどいい利便性と穏やかな日常

画像引用:みさとりっぷ
自然豊かな環境でありながら、生活に必要な利便性も備わっています。町内にはスーパーや大型ドラッグストア、コンビニエンスストアなどが揃っており、日々の買い物に不便を感じることはありません。
県庁所在地である熊本市内へも車で約50分と、都市部へのアクセスも良好です。
静かで穏やかな環境と、生活のしやすさ。そのバランスの良さが、美里町の暮らしやすさの秘訣です。
保育料無償から給食費補助まで!手厚い子育て支援
美里町は安心して子どもを産み、育てられる環境づくりに力を入れています。
保育料・副食費の完全無償化と高校生までの医療費助成
子育て世帯の負担を軽減するため、以下の制度を設けています。
- 保育料・副食費の無償化: 町内の保育園や認定こども園を利用する、すべての子どもの保育料と副食費が無料です。
- こども医療費助成制度: 高校3年生(18歳到達後の最初の3月31日)まで、医療機関での診療や処方箋薬局での薬代など、健康保険適用の自己負担分がすべて助成されます。
小中学校の給食費・通学費もサポート
義務教育期間中の支援も手厚いのが美里町の特徴で、毎日のことだからこそ、家計にとって嬉しい支援です。
- 学校給食費の半額補助: 町内の小中学校に通うすべての子どもの給食費を、町が半額補助します。
- 通学費補助: 遠距離から小中学校へ通学する児童生徒に対しては、通学にかかる費用の一部を補助する制度があります。
さらに、中学3年生を対象とした無料の「公営塾」を開講し、子どもたちの学力向上をサポートするなど、教育面での支援も充実しています。
空き家改修に最大100万円!移住者の住まい探しを応援
移住の第一歩は、暮らしの拠点となる「住まい」を見つけることです。
美里町では、移住者がスムーズに住まいを確保し快適な生活を始められるよう、空き家バンク制度と連携した手厚い補助金を用意しています。
空き家バンク利用でリフォーム費用などを最大100万円補助

画像引用:熊本県空き家バンクプラットフォーム
「移住定住促進補助金」は空き家バンクを通じて物件を購入、または賃貸契約した移住者を対象に、改修などにかかる費用を補助する制度です。
- 補助対象:町の「空き家バンク」を利用して物件を契約した移住者
- 補助額:対象経費の4分の3(最大100万円)
- 対象経費: 間取りの変更、給排水・電気設備の改修、バリアフリー改修、省エネ改修など
この制度を活用することで、自分たちのライフスタイルに合わせた住まいへと、費用を抑えながらリフォームすることが可能です。
熊本県産材での新築に最大50万円
空き家だけでなく、新たに家を建てる方への支援もあります。「木造住宅建築支援事業補助金」は、熊本県産の木材を80%以上使用して住宅を新築する方に対し、最大で50万円を補助する制度です。
地元の木材を使うことで、地域の林業振興に貢献しながら、木の温もりあふれる住まいを実現できます。
東京圏からの移住や結婚を経済的にサポート
美里町では、東京圏からの移住者や、町内で新生活を始める新婚世帯を対象にした支援制度があります。
東京圏からの移住で最大100万円の「移住支援金」
東京23区またはその近郊から美里町に移住し、美里町で週20時間以上の就業や起業を行う場合などに、国・県・町が連携して移住支援金を支給しています。UターンやIターンを考える方はぜひ利用したい制度です。
- 支給額:
- 2人以上の世帯:100万円
- 単身の場合:60万円
※移住元や就業先に関する詳細な要件があります。詳しくは熊本県や美里町の公式情報をご確認ください。
新婚世帯の新居費用などを最大60万円補助
結婚を機に美里町で新生活を始めるご夫婦には、「結婚新生活支援事業補助金」があります。新居の購入費や家賃、リフォーム費用、さらには引越費用まで、新生活にかかる経済的負担を軽減するための補助金です。
- 補助上限額:
- 夫婦ともに29歳以下の世帯:60万円
- 夫婦ともに39歳以下の世帯:30万円
- 対象費用: 住宅取得費用、リフォーム費用、家賃、敷金・礼金、引越費用など
暮らしの体験から始まる、美里町との良い関係
金銭的な支援だけでなく、移住を具体的に検討するための「お試し」の機会や、地域に溶け込むための仕組みもあります。
まずは「美里暮らし体験住宅」で美里町を知る

「いきなり移住するのは少し不安…」と感じる方のために、美里町では移住希望者向けの「暮らし体験住宅 いろは」を用意しています。
家具や家電といった生活必需品が揃っており、1泊3,000円という手頃な価格で、美里町の日常を体験することが可能です。
スーパーでの買い物や、「美里フットパス」の散策、地域の人との何気ない会話など、旅行では味わえない「暮らし」の感覚を掴む絶好の機会です。
まずは短期間滞在してみて、町の雰囲気や住み心地を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
地域と学校が一体となった子育て環境

画像引用:美里町公式サイト/美里町のコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進
美里町では、すべての小中学校で「コミュニティ・スクール」を導入しています。
これは、保護者や地域住民が学校運営に積極的に関わる仕組みで、地域全体で子どもたちの成長を見守り、支えていこうという考え方に基づいています。
地域の方々が先生となって授業を行ったり、農業体験や職場体験を通して学んだり、学校行事を一緒に盛り上げたりと、子どもたちが多様な大人と関わる機会が豊富にあります。
こうした環境は、子どもたちの社会性を育むだけでなく、移住してきた家族が地域コミュニティと自然な形でつながるきっかけにもなっています。
よくある質問
Q. どんな人におすすめの町ですか?
豊かな自然環境の中で、のびのびと子育てをしたいと考えている「子育て世帯」に特におすすめです。
また、都会の喧騒から離れ、地域の人々との温かいつながりを大切にしながら心穏やかに暮らしたい「ミドル世代」や、自分らしいライフスタイルを追求したいと願うすべての方を歓迎しています。
Q. 車がないと生活は難しいですか?
町内での日常的な買い物はスーパー等で完結できますが、熊本市内への通勤や広範囲の移動を考えると、自動車があった方が便利です。高齢者や運転免許証を自主返納した方向けには、町内路線バスで利用できる回数券を交付する支援も行っています。
Q. 移住の相談はどこでできますか?
美里町役場の「美しい里創生課」が移住・定住に関する総合窓口です。
住まいや支援制度、空き家バンクのことなど、移住に関するあらゆる内容に、対面・電話・メールで相談できます。
まとめ

画像引用:美里町公式サイト
熊本県美里町は、手厚い子育て支援と多彩な住宅補助制度で、移住者を温かく迎え入れてくれる町です。
美しい里山の自然に囲まれ、地域とのつながりを感じながら、心豊かな暮らしを始めてみませんか。まずはお気軽に町の窓口へご相談ください。
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